- 🎬 監督: イシグロキョウヘイ
- 👥 出演: 八代目 市川染五郎, 杉咲花, 潘めぐみ, 花江夏樹, 梅原裕一郎
- 📅 公開日: 2021-07-22
📖 あらすじ
17回目の夏、地方都市⸺。 コミュニケーションが苦手で、人から話しかけられないよう、 いつもヘッドホンを着用している少年・チェリー。 彼は口に出せない気持ちを趣味の俳句に乗せていた。 矯正中の大きな前歯を隠すため、 いつもマスクをしている少女・スマイル。 人気動画主の彼女は、“カワイイ”を見つけては動画を配信していた。 俳句以外では思ったことをなかなか口に出せないチェリーと、 見た目のコンプレックスをどうしても克服できないスマイルが、 ショッピングモールで出会い、やがてSNSを通じて少しずつ言葉を交わしていく。 ある日ふたりは、 バイト先で出会った老人・フジヤマが失くしてしまった 想い出のレコードを探しまわる理由にふれる。 ふたりはそれを自分たちで見つけようと決意。 フジヤマの願いを叶えるため一緒にレコードを探すうちに、 チェリーとスマイルの距離は急速に縮まっていく。 だが、ある出来事をきっかけに、ふたりの想いはすれ違って⸺。 物語のクライマックス、 チェリーのまっすぐで爆発的なメッセージは心の奥深くまで届き、 あざやかな閃光となってひと夏の想い出に記憶される。
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⚠️ 事前確認:地雷チェック
俳句×マスクが織りなす、新時代の青春賛歌

スマイルのマスクが暴く、言葉とコンプレックスの真実

🧩 伏線と象徴
- ショッピングモールでの初対面:2人のコミュニケーション障害(ヘッドホンとマスク)が視覚的に示される。SNS上ではスムーズな交流ができるが、現実では壁があることを象徴。
- レコード発見と破損:思い出の品が壊れることで、過去は完全には取り戻せないというテーマが浮かび上がる。同時に、スマイルの不注意が後の展開(壁時計発見)につながる伏線。
- 盆踊りの櫓でのクライマックス:全編を通じてのテーマ「言葉の距離」が解消される瞬間。SNSや俳句という媒介を経て、最終的に生の声で感情をぶつけることで、2人の関係が完成する。
🎭 批評視点の対立軸:この作品をどう読むか
視点対立1: 俳句の描写の真正性と現代性のバランス
視点対立2: マスク描写の社会的メッセージ性
視点対立3: オリジナル作品としての独自性と既存作との類似性
🗝️ 劇中アイテムと象徴
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🔹 ヘッドホン外界からの遮断と自己防衛の象徴。チェリーがヘッドホンを外すことは、他者とのコミュニケーションを受け入れる覚悟の表れ。
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🔹 マスクコンプレックスの隠蔽と社会的仮面。スマイルがマスクを外すことは、自身の欠点を受け入れ、素の自分を見せる勇気の象徴。
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🔹 レコード「YAMAZAKURA」過去の記憶と失われた関係性。フジヤマと亡き妻の絆を象徴し、同時にチェリーとスマイルが協力して「何かを探す」という共通目的を与えるアイテム。
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🔹 俳句言葉にできない感情を形にする手段。SNS上のテキストから、最終的には生の声で叫ばれることで、真のコミュニケーションの形へと昇華される。
📊 評価が分かれやすいポイント
2021年公開、コロナ禍のマスク文化と重なるタイミングで話題に。主演に歌舞伎俳優の八代目市川染五郎を起用し、俳句を軸にした青春物語として映像美と音楽(牛尾憲輔)が高評価。一方で、ストーリー展開がベタすぎるとの批判も。評価が分かれるのは、ラストの「自己受容」テーマが単純すぎると感じるか、それとも感動的と捉えるかの差による。
エンドロール後: エンドロール後は特になし。本編終了で終わり。
🤔 鑑賞後のモヤモヤを解消 (Q&A)
Q. チェリーとスマイルの出会いってどんな感じ?
A. 夏休み初日の7月20日、地元の大型ショッピングモール「ヌーベルモール小田」で偶然バッタリ。チェリーはヘッドフォン、スマイルはマスクがトレードマークで、お互い劣等感を抱えてたんだよね。スマイルの配信を通じて少しずつ距離を縮めていくんだ。
Q. フジヤマの想い出のレコードって何?
A. 「YAMAZAKURA」というピクチャーレコードで、フジヤマの亡き妻・藤山さくらが歌ったもの。チェリーたちがフジヤマの元レコード店を探しまくって見つけるが、スマイルがうっかり割ってしまう。
Q. 最後の盆踊りで何が起きたの?
A. チェリーは引っ越すことになってたんだけど、祭りの夜に車を降りて盆踊り会場に走るんだ。櫓に登ってヘッドホンを外し、スマイルに自作の俳句を暗唱して好意を伝える。スマイルはマスクを外して矯正中の前歯を見せて微笑む、って最高のクライマックス!
🎬 編集部のズバリ総評
チェリーがラジオ塔で叫ぶ「君の歯並び 雲の切れ間 夏の恋」は、SNS時代に失われた直接的な感情表現の復権であり、マスクとヘッドホンに象徴される自己防衛を突破する瞬間として本作の核心を成す。スマイルが前歯を見せる場面と相まって、言葉と身体の距離が一致する瞬間を鮮烈に描き切った。本作は、デジタルコミュニケーションに慣れた現代人が忘れがちな、生身の感情のぶつけ合いを夏の青春物語として見事に昇華している。強く推せる。
🎬 次に観るならこのへん
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同テーマ聲の形コミュニケーション障害を持つ主人公たちが、言葉の壁を乗り越える点で共通。本作はSNSという現代的な要素を加えている。
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同テーマ君の名は。すれ違いと再会の青春ラブストーリー。距離を超えるテーマが似ているが、本作はより日常的で地味な設定。
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同テーマ言の葉の庭言葉にできない感情を描く点で共通。新海誠作品のような雨の描写はないが、夏の湿度感が似ている。
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同監督ブライト: サムライソウルイシグロキョウヘイが他のジャンルでどう振る舞うかを観察できる
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最終更新日:2026年04月29日
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